夏の暑さも過ぎ去り、秋もいよいよ深まってまいりました。
夏バテ気味だった体も回復し、食欲が戻ってきたという方も多いのではないでしょうか?
食欲の低下は心身の衰えにつながるため、長く元気に過ごすためにはおいしくご飯を食べることが非常に重要です。
「食欲の秋」とも呼ばれるこの季節ですが、なぜ秋になると食欲がわくのでしょうか?
今回は「食欲」の理由についてご紹介します。
食欲が増減する理由
食欲は、体に必要なエネルギー量をもとに脳の視床下部によって調節されています。
エネルギーが足りないときは視床下部にある「摂食中枢」が働きます。
そして、食事によって血糖値が上昇すると、「満腹中枢」が働きます。
それぞれの働きによって「食欲」はコントロールされています。
また、人間は大脳が発達しているため、「おいしかった」という食に関する記憶や経験、見た目やにおいといった五感からの情報によっても、食欲は刺激されるといわれています。
なぜ秋になると食欲がわくの?
「食欲の秋」といわれる理由は諸説あります。
①セロトニン分泌量の低下
脳内で分泌される「セロトニン」という神経伝達物質は、精神の安定や食欲抑制に影響します。
セロトニンは日光を浴びると分泌されるため、日照時間の短くなる秋には分泌量が低下します。
セロトニン分泌量が低下するにつれて食欲抑制機能も低下するため、秋に食欲が増加する理由とされています。
②気温が低下し、代謝があがる
秋になると気温が低下し、体が体温を維持しようとするため、基礎代謝があがります。
基礎代謝があがればエネルギーの消費が増え、多くのエネルギーを必要とするために食欲が増加するといわれています。
③秋の味覚
実りの秋といわれ、秋に美味しくなる旬の食べ物が数多くあり、自然と食欲が増加します。
また、寒い冬に向けてエネルギーを蓄えるために食欲が増加するという説もあります。
秋の味覚を楽しもう!
今回は、秋の味覚の「鮭」と「栗」についてご紹介します。
①鮭
鮭には、骨や筋肉など体をつくる栄養素である「たんぱく質」が多く含まれています。
筋力や身体機能が低下してくる高齢者にとって、たんぱく質の摂取はフレイル予防にもなります。
秋鮭は身がしまりさっぱりとしているのが特徴で、フライやホイル焼きで食べるのがおすすめです。
【鮭のチャンチャン焼きの作り方】
(1)鮭に塩、こしょうを振る。
(2)キャベツ、たまねぎ、人参、ピーマン、しめじを切る。
(3)アルミホイルに(2)をのせ、その上に鮭をのせる。
(4)砂糖、酒、みりん、味噌を混ぜ合わせたものを(3)にかけ、上にバターをのせる。
(5)フライパンに水を入れ、蒸し焼きにする。
参考:農林水産省 食料産業局海外市場開拓・食文化課食文化室 鮭のチャンチャン焼き北海道
②栗
栗には「カリウム」という栄養成分が豊富に含まれており、高血圧や動脈硬化の予防に効果があります。
栗そのもののおいしさを味わうなら「ゆで栗」はいかがでしょうか。
【ゆで栗の作り方】
(1)沸騰した湯に生栗を入れる。
(2)中火にして40分から50分ゆでる。
(3)ゆで上がったら、やけどしないように注意し、包丁で縦半分に切る。
(4)中身をスプーンですくい取って食べる。農林水産省 大臣官房広報評価課広報室 知って得する「栗」のこと
また、栗きんとんなど柔らかくなるよう調理すると、誤嚥を起こしやすい高齢者でも食べやすいかもしれません。
さいごに
いかがでしたか?
「食欲の秋」にちなみ、食欲増加の理由と旬の食材についてご紹介しました。
ぜひご家族で秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。